リラックス?
とある町でひとりバスを待っていたときのこと。
停留所のすぐそばに幼稚園があって、運動会の練習に励む園児の姿が見えました。
ああ、そういう季節なんだな。と何気なく眺めていると、先生の合図で園児たちが整列し始めました。
これから行進の練習がはじまるらしい。
「音楽に合わせて元気に歩きましょうね~」という先生の声が聞こえ、一呼吸置いた後に流れてきた曲に、思わずのけぞりそうになりました。
Relax / Frankie goes to Hollywood(YouTube)
フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(FGTH)の『リラックス』は、1984年のヒット曲です。
当時は今よりずっと洋楽が流行っていて、ラジオやテレビで頻繁にかかっていました(洋楽のプロモーション・ビデオを流すMTVのような番組も多かったと思います)。
小学生でも、中高生の兄姉の影響等で洋楽ばかり聴いている子がいました。
私の周りにはそういう友人が多く、私自身も日本のポップスよりも洋楽(特にブリティッシュ・ロック/ポップス)に興味を持つようになっていました。
FGTHの『リラックス』は、一時期この曲を聴かない日はないというくらいラジオ等でよく耳にした曲です。曲が当時の感覚でカッコ良かったことや、耳に強い印象を残すインパクトがあったことがヒットの要因だと思いますが、「歌詞が過激すぎて英国では放送禁止になった」とか、「プロモーション・ビデオも過激なので放送禁止になった」とか、「日本で発売されたアルバムでも、この曲だけは訳詩がついてない」とか、そちら方面の話題でも随分盛り上がっていた曲でした。
英語が不得手な私には未だにその過激な歌詞の内容をきちんと把握できていないのですが、確か同性愛者の性についての曲です。
初心者(?)への手ほどきのような感じでしょうか。
当時友人のお姉さんが意味を教えてくれたのだけど、小学生だった私は、多少マセた部分はあったものの性の知識は殆どなく(当たり前?)、意味を理解できませんでした。「何だか分からないけど、あまりおおっぴらにしてはいけないことを歌っているらしい」程度。
後年、そちら方面の知識が増えてきたところで、「おお、なるほど!」と納得したのでした。
英語のスラングが分からなければただ「リラックスしなさい」と連呼しているようにしか聴こえないわけで(そうか?)、英語に関しては中学時代から大して進歩のない私には、歌詞を見ても「この辺が危ないのかな?」ぐらいの見当しかつきません。
だから、そういう背景を知らない人が、意味を深読みしないで使ってしまう。というのも分からないではないのですが……。
それにしても、『リラックス』をバックに可愛らしく行進する園児って、シュール。
選曲した先生は、きっと意味をご存知ないに違いありません。(知ってて使ってたらすごい)
保護者の中に、欧米人あるいは英語のスラングに精通している方がいらっしゃいませんように。と、無関係者ながら思わずにはいられませんでした。
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どんな歌詞なの?と思った方へ。
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Comments
ユリウスさま
>「源氏物語」の歌も性的隠語で満ち満ちており
知りませんでした。
「源氏物語」は授業で数帖当たっただけで、全部読んだことがないのです。でも中高生の時よりも、今のほうが分かる事柄が多いと思うので、これから読んでみるのも良いかもしれませんね。
>ことほどさように、「情緒」、「風情」、「みだら」が渾然一体となっているのが日本文化なのでしょうか?
民族の移動や他民族同士の争い等、民族間の交流が激しい大陸と違って、島国の日本は共通の価値観を持ち易かったのかもしれませんね。だから「笹」や「森」でも、「ああ!」となる(笑)。
日本的な曖昧さは、国際的には時に短所とも受け止められますが、一面では洗練された文化のひとつでないかと思います。
Posted by: kompf | 09/21/2007 at 03:34 PM
kompf さま
ご教示、ありがとうございます。「梅は咲いたか」も調べました。最後は
恋の浅草 二人で行こかいな 何を言問 都鳥
末は千鳥で 泪橋 しょんがいな~
でした。端唄にしても、江戸川柳にしても、もっともっと昔の歌にしても、日本語の中に見え隠れするおおらかな性意識は、英語の比じゃないように思います。例えば、「源氏物語」の歌も性的隠語で満ち満ちており、「笹」も「森」も「下葉」もPublic Hair なのだそうです。
年増の女官が源氏に送った歌。
君し来ば 手馴れの駒に 刈り飼はん
さかり過ぎたる した葉なりとも
ことほどさように、「情緒」、「風情」、「みだら」が渾然一体となっているのが日本文化なのでしょうか?
Posted by: ユリウス | 09/20/2007 at 02:45 PM
ユリウスさま
コメント有難うございます。
>理解するには相当想像力が必要のようですね。
そうですね。私も今回改めて読んでみたのですが、直截的な表現ではないので、想像をたくましくしないと……(笑)。
先日、端唄を勉強中の知人にいくつか教わったのですが、こちらも想像力がないと楽しめない世界ですね。
『梅は咲いたか』などを知人の解説付きで聴いて、粋というか、すごいな。と思いました。
こちらは、編みこまれた意味が分からなくても、季節や風景の描写を楽しむことができますし、日本の粋人はすごい。です。
Posted by: kompf | 09/18/2007 at 05:08 PM
Kompf さま
>どんな歌詞なの?と思った方へ。
今まで聞き流していたのですが、何か新しい発見がありそうに思えて、歌詞の紹介ページで "Frankie Goes To Hollywood" を詳しく見ました。
理解するには相当想像力が必要のようですね。理解できたかどうか、自信ありません。
小生、"Get it up" は辞書で性俗語の意味を知りました。
面白い話題提供、ありがとうございました。
Posted by: ユリウス | 09/16/2007 at 04:18 PM